td2sk の日記

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安価な 4K HDR 超短焦点レーザープロジェクタ Xiaomi (Mijia) MJJGTYDS01FM について(仕様調査/開封編)

前々から購入を検討していた4K超短焦点プロジェクタが、セールで約23万円という衝撃的な価格*1となっていたため、ついに購入した。

今回は、超短焦点モデルを選んだ理由とカタログスペック、開封までをまとめた。 次回記事で画質や設定項目について確認する。

TL;DR

  • 6畳間で大画面を楽しむには超短焦点が必要
  • 仕様に曖昧なところがあるため、可能な範囲での仕様確認と疑問点の洗い出しをした
  • 国内利用にあたっての注意点をまとめた
  • 内容物を確認した

なぜ超短焦点を選んだのか

昨年、安価なフルHDプロジェクタを購入した。

当初は背の低い机の上において利用していたものの、投影範囲を避けて座るのが難しいという問題があった。

仕方ないので、いろいろ苦労してプロジェクターを天井吊りにしたことで、この問題は一応解決した。

しかし、時々頭をぶつけるなど、邪魔であることに変わりはない。 また、普通のプロジェクタを6畳間に置くと、せいぜい110インチ程度のスクリーンサイズしか確保できない。

一応、2部屋使うことで150インチの表示を得ることはできるが、部屋を跨いでの投影も簡単にできることではない。

そのため、6畳間で手軽に150インチを楽しめる超短焦点プロジェクタが必要になった。 また、150インチ級の画面でフルHDでは粗さが目立つため、可能なら4Kにしたいと考えた。

購入したもの

Xiaomi Mijia MJJGTYDS01FM を Banggood から購入。4/20に注文、5/5に到着した。

www.banggood.com

似たような商品名・価格で、解像度1080pの旧モデルも売られているので、間違えないように。

商品名に4Kと入っていても信用してはいけない。*2

スペック

メーカー公式の製品ページは中国版のみ用意されている。

www.mi.com

現状中国のみでの販売であり、発売から日も経っていないためか、有益な実機レビューは見つからなかった*3

以下に、各所から引っ張ってきたスペックを統合・一部修正して記載した。合っているかは不明。

解像度周りの疑問点に関しては後述。

項目
光源 レーザー (ALPD 3.0*4 )
光源寿命 25,000時間*5
表示方式 DMD*6
解像度 4K (3840 x 2160)*7
サポート解像度 最大 4K/60Hz
明るさ 1,500ANSIルーメン? *8
コントラスト比 3000:1
投影比 0.233:1
投影距離 0.1 ~ 0.5m
表示サイズ 80~150インチ
インターフェイス HDMI2.0 x 3, USB3.0, AudioOut, AVInput(?), S/PDIF, LAN
オーディオフォーマット MP1, MP2, MP3, WMA, WAV, OGG, FLAC, AAC, Dolby Digital, Dolby Digital Plus, M4A, DTS-HD?*9
電源 200-240V / 50-60Hz (100Vでは動作しない)
3Dサポート *10
本体重量 7.2kg
商品重量 9.5kg
寸法 410 x 291 x 88 mm

日本国内での利用

  • 無線LAN(802.11a/b/g/n)対応しているが、当然技適マークはない。有線LAN、もしくは FireTV など技適の通った製品と組み合わせることになる
  • Xiaomi がカスタムした Android 6.0ベースのOS (MIUI TV)が入っている。デフォルトの言語は中国語だが、設定変更で英語にできる。日本語はない
  • 付属の電源ケーブルは3ピン(Oタイプ)で、対応電圧も200~240Vと、日本で一般的な100Vには非対応。200Vコンセントがあればアダプタだけで利用できるはずだが、ない場合は100V→200~240Vの昇圧器を別途用意する必要がある

解像度についての疑問

このプロジェクタの表示素子で使われているDMD方式は、極めて高速な画面の切り替え*11ができる。そのため、以下の図のように1フレームのうちに1画素をずらして表示することで、低い実解像度のパネルでも実質4K相当の映像表現を実現できる。 f:id:td2sk:20190511131154p:plain 出典: Beam shifting - Optotune

このプロジェクターが、この画素ずらしを利用して4K化しているのか、パネルの実解像度が4Kなのかは、仕様に記載されておらず調べても分からなかった*12*13

DMD 方式については、製造元の Texas Instruments の解説動画がたいへん分かりやすい。 youtu.be

実際に表示した際の画質や対応周波数等は次回記事で確認予定。

開封

外箱

海外通販なので、商品の箱に直接伝票を貼り付けて送られてくる。箱の上部には取っ手が付いているため、持ち運びはしやすい*14f:id:td2sk:20190511151219j:plain

中身

Xiaomi らしくシンプルな包装。 f:id:td2sk:20190511151423j:plain

同梱品は、説明書(中国語のみ)とリモコン、レンズ掃除用マイクロファイバークロス。 電池は単4が2本(同梱されていない)。 f:id:td2sk:20190511151541j:plain

プロジェクタ本体。中央下の透明部分から光が投影される。その両脇にあるのはおそらく人感センサー*15f:id:td2sk:20190511151810j:plain

端子類。 プロジェクタ本体には一切ボタンがないため、リモコンを無くした場合はコンセントを抜くしかなさそう。 f:id:td2sk:20190511152007j:plain

電源ケーブルとアダプタ。 f:id:td2sk:20190511153049j:plain f:id:td2sk:20190511153104j:plain f:id:td2sk:20190511153116j:plain

まとめ(TL;DR再掲)

  • 6畳間で大画面を楽しむには超短焦点が必要
  • 仕様に曖昧なところがあるため、可能な範囲での仕様確認と疑問点の洗い出しをした
  • 国内利用にあたっての注意点をまとめた
  • 内容物を確認した

次回は画質や各種設定項目について更新予定

*1:4K超短焦点プロジェクターは、2015年には500万円、直近でも70~100万円で安い方だった

*2:表示できる解像度が低いのに、入力だけFHDや4Kに対応させておいて、それを商品名に入れて販売しているサイトが多々ある。日本のAmazonもほとんど無法地帯といった感じで、国内通販サイトでも信用できない

*3:中国国内向けサイト(BiliBili や Weibo)でユーザー投稿の開封・レビュー動画が何件かはあったが、中国語が分からないので詳細は不明

*4:映画館等で使われるレーザープロジェクション技術らしい。調べたもののよく分からず

*5:3,000時間程度で交換が必要なランプと違って交換の手間がない(1日4時間の利用でも17年以上保つ)。そもそも交換できる仕様ではなさそう

*6:デジタルミラーデバイス。超微小(1辺10μm程度)な鏡が秒間数万回駆動で角度を変えることで、反射の方向を制御する方式

*7:TI の 0.47インチ DMD を使っていることは間違いないが、画素ずらしで4K化しているのか実解像度4Kなのかは不明。詳細は以下

*8: 5,000ルーメン表記しているところが多いが、それは光源自体の明るさ

*9:Weibo の公式アカウントより https://www.weibo.com/5836533026/Hc3PYmN9o?refer_flag=1001030103_

*10:どの形式かは不明

*11:秒間数万回、つまり数万fps!!

*12:映像を見る分にはあまり影響はないと思う。PCと接続して細かな文字を表示する際は、画素ずらしの方式によっては字が滲むケースもある (そもそも内部的にYCbCr4:2:0だったらどのみち滲むが、本機は少なくとも入力については4K/60p RGB888(YCbCr4:4:4)をサポートしている模様)

*13:画素ずらしと書いてないからといって、画素ずらしをしていないと判断するのは早計だと思う。あえて書かない/誤解しやすく書くケースが多々あるので

*14:名前の入った伝票が貼られているため写真は省略

*15:目を傷めないよう、覗き込みを検知して自動消灯するため