td2sk の日記

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大画面4KテレビをPCディスプレイとして利用する際に考慮すること

はじめに

このたび、PC用ディスプレイとして、43インチの4Kテレビを購入した。
安くない買い物なので、失敗のないよう選ぶ観点などを簡単にまとめておく。

2016/5/11 追記

フィリップスから、下で説明する条件をすべて満たす4Kディスプレイが登場した。
http://www.philips.co.jp/c-p/BDM4350UC_11/brilliance-4k-ultra-hd-lcd-display
テレビ機能が不要な場合は、スペックを確認ののちこちらの購入検討を推奨。*1

2016/6/4 追記

フィリップスのディスプレイだが、発売2ヶ月足らずでメーカーの製品情報ページから削除されたようだ。
原因は分からないが、早くも生産終了に向かっているのかもしれない。*2

免責

本記事には間違いがあるかもしれないので、購入の際はそれぞれの製品の仕様、規格について改めて確認すること。
筆者は一切の保証をしない。

4Kテレビを選ぶ理由

一般に高解像度のディスプレイでは、DPIを調整してレンダリングの質を向上させることが多い。この場合、実質的な解像度は下がってしまう。
一方、DPI調整を行わなければ、4Kの解像度をそのまま広大な作業空間として利用できる。
しかし、そのためには文字を視認するために40インチ級の画面サイズが必要になる。
残念ながら、40インチを越えるPCディスプレイはほとんどなく、4Kテレビから探すことになる。

インチ数について

PC用4Kディスプレイは、下は23インチから上は50インチ程度まで様々なモデルが存在するが、23〜28インチの製品が多い。
DPI調整をしない場合、28インチの4Kディスプレイは14インチのフルHDディスプレイ四枚分ということになる。ノートPCで見慣れている解像度ではあるが、デスクトップ用途にはやや小さい感じがする。

一方、46インチ以上では、画面の横幅は1mを超える。PC用ディスプレイとしてデスクに置き、1m離れて使うには、大きすぎて画面全体を視認するのが難しいだろう。

結果として、30インチ台後半 〜 40インチ台前半が望ましいといえる。
このサイズでは選択肢がテレビしかないのは前述の通りだ。

4Kテレビとして出回っているものの中で、最小のものは40インチ(実寸39.5インチ)だろう。
しかし、40インチを始めとする特定サイズのパネルは、製造原価をおさえるために画素が正方形ではなく、わずか1.7%程度ではあるが本来の16:9より横長になっているようだ。映像用途であればともかく、PC用途ではこの微妙な歪みを許容できない人もいるだろう。
今回はそのような心配がないと思われる、43インチのテレビを選択した。

必要とするサイズは人によって異なる。電器屋で実機を見たり、新聞紙の切り貼りで再現したパネルを部屋に置くなどして、適切なサイズを絞り込もう。

液晶の種類について

テレビの液晶パネルでは、主に VA と IPS が用いられている。
VA は黒のコントラスト、IPS は視野角に優れており、一般的なテレビ用途では一長一短といえる。

しかし、PCディスプレイとして用いる場合は注意が必要になる。
VA パネルでは視界の中央と端で色味が変わってしまうのだ。
これは、大画面を至近距離で見ることになるため、画面中央と画面端で視線の入射角が大きく異なることによる。
そのため、PCディスプレイ用途では IPS のほうが良いだろう。VA タイプの製品を選ぶ場合は、店頭で至近距離から見て色味を確認すること。

接続方式について

4K映像を出力できるインタフェースとして、HDMI 2.0 と DisplayPort 1.2 がある。

4K(3860x2160)を越える解像度*3のディスプレイを選ぶ場合は、DisplayPort しか選択肢がない。
一方、大画面4Kの場合はテレビを使うことになるが、国内で DisplayPort 端子のあるテレビはほとんどなく、HDMI 2.0 を使うことになる。

信号

色信号のフォーマットには YCbCr444、YCbCr422、YCbCr420、RGB444 などがある。
それぞれの詳細な説明は省くが、PC環境では RGB444 を使うとよい。
PC とテレビを単純に接続しただけでは YCbCr420 となって滲みが生じたりする。

また、信号の階調としてフル(0〜255)とリミテッド(16〜235)がある。
映像信号ではリミテッドが主流なようだが、PC用ディスプレイとしてはフルが使えるものを選びたい。

PC側

4Kディスプレイを使うには、GPU の性能もそれなりに必要だ。
私の環境では MSI の GTX 970 GAMING 4G を使っている。

Haswell 以降の Intel HD Graphics も4K出力ができるそうだが、筆者環境では試していない。

グラボ選択の際には以下の点を確認すること。

  • HDMI 2.0 出力端子があること
  • 4K60p RGB444 出力に対応していること
  • 目的のアプリケーションが快適に動作すること*4

テレビ側

ほとんどのテレビはグレアパネルである。
ノングレア派としては残念だが、できる限り映り込みの少ないテレビを選択するしかない。
家電量販店で、店員に了解を取りテレビの電源を切るなどして、事前に納得行くまで確認しよう。
テレビ購入の際には以下の点に注意する。

  • HDMI 2.0 対応端子があること
  • 4K60p 表示できること
  • PC モードがあること
    • 低遅延かつ余計な映像処理をしないモード
  • フルレンジの RGB444 信号を表示できること
  • 画素が正方形であること
  • 映り込みがきつくないこと

今回はこの条件を満たすテレビとして、東芝の43G20Xを選択した*5。購入時価格は11万円前半。

2016/5/11 追記
43G20Xだが、購入後3ヶ月で故障した。そういったことが起こるのは仕方ないことだが
なぜだか新品への交換手配で2ヶ月近く待たされている。*6
このようなサポート体制では、2〜3ヶ月テレビが使えなくても困らない奇特な人以外には購入をおすすめできない。

テレビ側設定

43G20X で、PCをHDMI 1に接続した際の設定例を紹介する。

  • 映像設定
    • 映像メニュー: PC
    • 映像調整
      • バックライト: 20
  • 機能設定
    • 外部入力設定
      • 外部入力表示設定
        • HDMI1: PC
      • HDMI 1 モード設定: 高速信号モード
      • HDMI 自動画質モード設定
      • RGB レンジ設定
        • HDMI1: オート
    • 信号フォーマット詳細表示設定: オン

モード設定で高速信号モード*7を選ぶことで、PC 側で YCbCr444 や RGB444 を選択できるようになる。

PC側設定

私の使っている GTX970 では、NVIDIA のコントロールパネルから設定ができる。
今回は以下のように設定した。

  • 解像度: 4k x 2k (3860x2160)
  • リフレッシュレート: 60Hz
  • 色深度: 最高(32bit)
  • 出力時色深度: 8bpc
  • 出力カラーフォーマット: RGB
  • 出力ダイナミックレンジ: フル

カラーフォーマットやダイナミックレンジの変更ができない場合、テレビ側の設定が間違っている可能性がある。
テレビの設定を見直すこと。

確認

テレビリモコンの画面表示ボタンを押すと現状の設定を確認することができる。
以下の設定になっていればよい。

  • コンテンツタイプ: グラフィックス
  • 解像度: 3840 x 2160
  • 走査方式: プログレッシブ
  • 垂直周波数: 60Hz
  • アスペクト比: 16:9
  • 色深度: 24bit
  • 色空間: sRGB
  • RGB/Y色差: RGB(フル)
  • クロマフォーマット: (空欄)
  • 音声フォーマット: PCM

RGB(リミテッド) や、クロマフォーマットの項にYCbCrなどの表記がある場合は、正しく設定できていない。

まとめ

(TODO 後日追記予定)

*1:サブピクセル配列がBGRであること、わずかな遅延があることが報告されているため、事前に確認すること。

*2:価格com等で初期不良の話を見かけるのと関係があるのかも……?

*3:4160x2160 や 5120x2880

*4:4K解像度で最新のハイエンドゲームを遊ぶ場合、60fpsを維持するにはGTX980の2枚刺しやそれ以上の性能が必要になる。軽めのゲームならIntel HD Graphics でも動く

*5:43G20X が本当に RGB444 のフルレンジをそのまま表示できるのか、筆者は保証しない

*6:現行モデルのため、市中在庫も十分にあるはずだが……

*7:モード名はメーカーや機種毎に異なるようだ